災害から考える会社としてのそなえ|いざという時のためにどのような対策をとっておくべきか|伊賀市の税理士が考える|会社としての対策

2026.07.29

初めに

昨日、熊本で震度7を観測する大きな地震が発生し、イオンモールの崩壊など様々な被害が生じています。地震大国と言われる日本では、2年前にも石川で大きな地震があり、多くの被害がでました。少し遡れば東日本大震災・阪神淡路大震災など本当に被害の多い国だと思います。

地震だけに限らず、新型コロナのような病気も災害と言えるでしょう。新型コロナの際も世界中の経済が止まり、多くの企業が倒産してしまいました。

今回は、このような災害が起こった際に、会社としてどのような対策をとっておくべきなのか、災害が起こった後どうすればいいのかについて考えようと思います。

災害が起こった場合に会社に起こる影響

まずは、災害が起こった場合に会社にどのような影響がでるのかを考えましょう。これについては災害によって様々ですから一概には言えませんが、大きく分けると売上の減少、建物や設備の停止ということになるのではないでしょうか。

例えば、新型コロナのような病気の場合には、建物や機械装置にダメージはありませんが、人や経済が動かなくなるため売上が減少する可能性が高くなるのではないでしょうか。業種によりますが、新型コロナのときは宿泊関係や飲食店関係が大きな影響を受けました。リーマンショックなどの時は製造業や建設業などが大きな影響を受けたのではないでしょうか。このように建物や機械装置などの売上を上げるための設備が大丈夫なのに、売上・利益が大きく落ちるパターンが1つです。

そして、もう一つは建物や機械装置にダメージを受けることで売上が減少するというパターンです。これは、まさに地震などの自然災害で起こることがあります。地震の他にも豪雨による洪水などで浸水したり、台風で吹き飛んだりなど様々なことが考えられるのではないでしょうか。このような場合には、建物や機械装置などにもダメージを受けるため復旧するのにも時間がかかることになります。

災害によって起こる影響については、大きく分けるとこの2パターンになるのではないでしょうか。

では、これらの時に耐えるために、早く復旧するためにはどのような備えをしておく必要があるのか、どのような対策をしておく必要があるのかについて考えていきましょう。

災害が起こった場合に備えること

災害というのはいつ起こるかわかりません。起こらないことにこしたことはありませんが、起こった時のために対策・備えは常に考えておく方がいいでしょう。

⑴保険に入る

まずは保険に入るということですね。これは一度以前にコラムにもした企業防衛につながると思います。前回のコラムは経営者の方にもしものことが起こった場合の企業防衛として、経営者の方は生命保険に入っておきましょうというものでした。

今回はその設備版と思ってもらえればいいでしょう。火災保険や地震保険等の設備にもしものことがあった場合の保険に入っておきましょうということです。保障金額については、もしものときに復旧できる程度の金額にはする必要があるでしょう。例えば、1億円立て直すのにかかるのに2,000万円くらいの保険にしか入っていないと、立て直すにも立て直すことができませんよね。確かに火災保険などの損害保険については、昨今の災害の多さにより保険料が年々高くなってきているのも事実です。

しかし、そこは高くなった保険料の分を値上げという形で補ってでも、火災保険・地震保険などの設備を復旧するための保険には入っておくことが望ましいでしょう。

⑵資金を借り入れる体制を整えておく

新型コロナのときにもありましたが、大きな災害が行った場合にはセーフティーネットなど、日本政策金融公庫や信用保証協などが様々な貸付を行ってくれます。この時の貸付というのは非常に有利な条件で行われることが多いので、災害が起こった場合には有効活用するのがいいでしょう。

そのためにも日頃から資金を借りれるような体制を整えておくことが大切です。例えば、金融機関との関係を強めておくとか、顧問税理士から情報提供をもらえるようにアンテナを張っておくとこですね。災害のときは情報収集がどれだけ早くできるかだと思います。情報を早く得て、資金を早く借りることで体制を立て直せるようになる時間も短くできます。

また、金融機関側からも情報がくるように金融機関の人とも仲良くしておくのがいいでしょう。どのように仲良くするかというのは、毎月1度は金融機関を訪れるとか、担当者がいる場合には月に1度担当者に来てもらうでもいいでしょう。とにかくコミュニケーションをとるということが大切になります。

資金を借り入れる体制としては、当座借越の契約をしておくというのも大事だと思います。当座借越とは、上限の範囲内で必要な時に借りることができる制度です。通常の融資貸付と違い書類などの記載も一切必要がない代わりに、審査が厳しくなるので上限も低めにはなってしまいますが、当座借越の枠を大きくできるように普段から努力しておきましょう。

当座借越は持っているだけで保証料的なものが毎年かかり、借りると利息がかかるのですが、いざという時のためにもっておいて損はありません。直ぐに借りれるための手数料と思っておけば安いもんだと思います。

そして、もう1つの対策としては、信用保証協会の保証枠を最大限使えるようにしておくということです。融資は、保証協会付き融資というものとプロパー融資というものがあります。今回のコラムでは詳細な説明は避けますが、保証協会には2億8千万だったかな?という保証枠があるのです。この保証枠が埋まってしまうと、保証協会付き融資でも借りれなくなってしまいます。

つまり普段の融資を受ける際にはなるべくプロパー融資で受けることができるようにしておくということです。そうすることで、いざという時に保証協会の枠を利用することで、融資を受けやすくできるということですね。

このプロパー融資でうけるためには財務状態がよくないと受けれません。赤字が続いていたり、決算書の数字が悪い場合にはプロパー融資が通らないこともあります。そのため、普段から決算書を良くできるように努力するということが大切になります。これが一番難しいんですけどね。

金融機関以外にも資金を借りることができるところはあります。例えば、解約返戻金がある保険の契約者貸付金であるとか、中小企業であれば倒産防止共済や小規模企業共済に加入していれば、払っている保険料の8割程度を借り入れることができます。金融機関以外にも借りることができるところがあるということを頭の片隅に置いておいてもらえるといいと思います。

⑶現金を蓄えておく

そして3つ目が現金を蓄えておくということです。現金が最も信頼できるものです。

普段の経営から現金を蓄えることを重視してください。最後に頼れるのは自社にある現金だけです。

新型コロナの際も耐えることができた企業は、現金を多くもっている企業でした。災害への耐性がある企業というのはどこも現金を多く持っています。

現金を持った上で、保険や災害の時の融資を活用して復旧を早めるのです。それぞれ違った役割を持たせるといってもいいかもしれません。

建物や設備などの売上を産み出すものについては、保険や足りない部分を借入で賄い、人件費や固定費などの部分は自社の現金で賄うというような役割だと思います。このようにそれぞれの役割を考えた場合に、現預金をどんだけ貯めることを目標にすればいいのかわかるのではないでしょうか。

現預金の目安としては、運転資金の2カ月分から3カ月分程度あれば十分と言われています。運転資金とは

売掛金+受取手形+棚卸資産ー買掛金ー支払手形と思ってもらえればいいと思います。タイミングによって上下すると思うので、決算書に書かれている数字が正しいかと言われれば難しいですが、目安としては決算書の数字を目安としてもらってもいいのではないでしょうか。

このように現金を蓄えておくということを意識するということが大切ということです。

おそらく今回の災害からも復旧するのが早い会社・遅い会社・潰れてしまう会社いろいろあると思います。ただ復旧するのが早い会社というのは、この3つの対策がしっかりできている会社なのではないでしょうか。

災害はいつ起こるかわかりません。次は自分のところで起きるかもしてません。その時のために早くから対策をしておきましょう。

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