領収書とレシートどちらが必要なのか?|領収書とレシートの保存でよくある誤解|インボイス制度における経費について|伊賀市の税理士と考える|消費税関係

2026.01.20
画像

初めに

今回のコラムでは、日常でもよく発生するであろう、領収書とレシートについて考えていこうと思います。みなさんもどこかのお店で買い物をしたときに、会社の経費にする際に「領収書」をもらっていますか?インボイスが始まる前からの慣習なのか領収書をもらおうと思っているかたが多いように思います。しかし、インボイスが始まってからは、領収書よりもレシートの方が大切です。大手では領収書の発行を廃止しているところも、ちらほら出てきているように感じます。

今回は、そんな領収書とレシートについてどちらの方が必要なのか、なぜそうなのかについて考えていきましょう。

インボイス制度における消費税の仕入税額控除の要件

まずは、インボイス制度における消費税額を控除するための要件について考えていきましょう。これが全てです。

消費税の納税義務者である会社・個人事業主の方にとっては、消費税の仕入税額控除が大切になってくると思います。消費税法には消費税の仕入税額控除を適用するための保存要件というものがあり、いまから説明する記載があるものを保存しておく必要があるのです。つまり、今から説明するものの記載がないものは保存していても、税務調査で消費税の仕入税額控除を否認されてしまいます。

①仕入税額控除を受けるための記載要件

ⅰ適格請求書発行事業者の氏名または名称

これは、インボイス番号の登録をしている事業所・会社名や店舗名です。請求書などを見てもらうと○○株式会社などと記載があると思います。レシートでも、その購入した店舗などの名称が書かれていると思います。

ⅱ登録番号

これはインボイス番号ですのでTから始まる13桁の番号ですね。これについてはもう慣れてきたころではないでしょうか。

ⅲ取引年月日

これは日付ですね。これも当たり前のように記載がされていると思います。

ⅳ取引内容(軽減税率対象の場合にはその旨の記載)

これが、領収書とレシートで大きく分かれると思います。例えば、飲食店などでレシートには飲み物の名称と値段や料理の名称と値段などが書いてあると思いますが、領収書には金額だけの記載ということなどありませんか?

この部分については、多くのお店で領収書よりレシートの方が細かく記載されていると思います。領収書にも印字されているケースもありますが、少ないと思います。この部分で、領収書よりもレシートの方が大切であるということがわかると思います。

特に軽減税率の対象が混ざる場合には、わかるように記載をしないといけなくなるので、領収書よりもレシートの方が区分して記載していると思います。

ⅴ税率ごとに合計した取引金額(税込・税抜どちらでも可)

これは10%と軽減8%をそれぞれ合計した取引金額を記載する必要があるということです。がっちゃんこして記載してはいけないということですね。いくらが10%でいくらが軽減8%なのかを判別できるようになっている必要があります。

ⅵ適用税率

それぞれ、10%か軽減8%かのどちらがかかるかを記載する必要があるということです。ⅴの隣にそれぞれ書いておけば問題ないでしょう。

ⅶ税率ごとに区分した消費税額等

そしてそれぞれに消費税額がいくらなのかも書く必要があります。ⅴ~ⅶはほぼセットですね。

ⅷ書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

これは、請求書や領収書・レシートをもらう人の氏名や名称を書いてもらう必要があるということです。「上様」では通用しないということですね。しっかりと名称は書いてもらう必要があるでしょう。

ここまでが消費税の仕入税額控除受けるために必要な書類の要件になります。どうでしょうか?領収書をもらっている方の場合、もらった領収書にこの記載事項全てが書いていますか?ほとんどの領収書は、金額と名称と日付、税額ぐらいしか書いていないのではないでしょうか?  

つまり、そのような領収書の場合には仕入税額控除が否認される可能性があるということです。なので、領収書よりも請求書やレシートのように全て記載されているものを残すようにしておきましょう。

②簡易インボイスの記載要件

上記の記載要件が基本なのですが、不特定多数の者を相手にしている業種については不可能に近いことがあるため、簡易インボイスという制度があります。この簡易インボイスを適用できる業種は限定列挙で限られているのですが、この簡易インボイスに該当する場合には、記載されている必要がある要件が少なくなりますので覚えておきましょう。

※該当業種:小売業・飲食店業・写真業・旅行業・タクシー業・駐車場業(不特定多数が利用できるものに限る)・その他不特定多数の者に資産の譲渡を行う事業

ⅰ適格請求書発行事業者の氏名又は名称

ⅱ登録番号

ⅲ取引年月日

ⅳ取引内容

ⅴ税率ごとに合計した取引金額(税抜・税込どちらでも可)

ⅵ適用税率または税率ごとに区分した消費税額

これらの記載に必要な内容の中身については①と変わりません。しかし、①とくらべると記載しなければならない項目が少ないことに気づかないでしょうか?そうなんです。①ⅷの書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称が必要ありません

多くの人が飲食店などで食事をした後に、経費にするために領収書と宛名を書いてもらっていませんか?実はその行為自体が不要です。全く必要ありません。レシートだけで事足ります。なので領収書をもらう必要がなくなるのです。

この部分がよく勘違いしている方が多いように思われます。事業所などの経費精算のルールなどであるのかもしれませんが、消費税の仕入税額控除を考えるうえでは必要ありません。簡易インボイスに該当する事業所の場合にはレシートだけをもらうようにした方が良いですし、宛名を書いてもらうことも必要ありません。なぜなら、書類の交付を受ける者の名称が無くて済むからです。飲食店や小売店側からすると必要のないものに時間をとられることになってしまいます。

またもらう側にとっても領収書ももらってしまうと、内容が書かれていなければ、結局レシートとともに保管する必要があるため、保存しなければならないものが増えるだけですし、経理担当の方が二重に計上してしまうというリスクも増えてしまうかもしれませんので、レシート1枚で済ませるようにするのが良いでしょう。

③クレジットカードの控え

もう1つ多くの方が勘違いしていることがあります。それがクレジットカードの控えです。クレジットカードを利用するとレシートの他にクレジットカードの控えも一緒に渡されると思います。このクレジットカードの控えを大切に保管して、「経費として計上してくれ」と持ってこられる方も多いですが、クレジットカードの控えは何の役にも立ちません。なぜなら、インボイスの記載要件について何も書かれていないからです。クレジットカードの控えを保管するよりもレシートをもらうことの方が大切です。なのでクレジットカードを利用する際はクレジットの控えは捨ててもいいですが、レシートは捨てないようにしてください。レシートがないと仕入税額控除の否認をされる可能性がありますので注意していください。

※消費税の仕入税額控除は否認される可能性はありますが、法人税の経費としては認められる可能性はあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか、ここまで領収書とレシートについて解説してきました。このコラムを読んでいる方の中にも勘違いしていた方もおられるのではないでしょうか。飲食店や小売業などで購入をした場合には確実にレシートを残しておきましょう。また領収書を書いてもらう必要は全くありません。むしろ、お店側の迷惑になっている可能性もあります。もらう側としても保管しておかなければならないものが増えるだけですので、必要ないものはもらわないようにするのが楽だと思います。

最後になりましたが、私たちトラストソルコンサルティング(東憲吾税理士事務所)は伊賀市を中心に中小企業の経営者の悩みを解決するためのコンサルティングを行っています。「税理士業務ができるコンサルタント」として、税理士業務にとどまらず、資金繰りの支援や経営の支援、自計化支援なども行っています。顧問税理士を変えたいけれど直ぐには変えられないや、顧問税理士がアドバイスをくれないという悩みを抱えている経営者の方はぜひお問い合わせください。税務業務だけでなく会計コンサルティング・経営コンサルティングと幅広い業務をそろえています。興味のある方はお問い合わせください。

お問い合わせ

CONTACT

お問い合わせは以下ページから
お気軽にお問い合わせください。
通常3営業日以内に当事務所よりご返信いたします。

お問い合わせ・相談をする

24時間受付