経営コラム~創業するために何が必要なのか~Part6|創業融資を受ける|銀行の種類と創業融資を受けるのにふさわしい銀行はあるのか|創業者向けコラム続き|伊賀市の税理士が教える

2025.09.30

融資の種類

3つ目は融資の種類です。融資の種類と資金使途の種類は別物になります。

資金使途の種類とは、融資の種類のうちの資金使途になります。

融資の種類とはどんなものがあるのか、大事なものをいくつか紹介しようと思います。

①保証協会付き融資

まずは、もっとも使う機会が多いであろう保証協会付き融資です。

保証協会付き融資とは、政府系金融機関以外の金融機関で融資を受ける際の種類の1つになっており、信用保証協会の保証を付ける融資のことになります。この信用保証制度とは、大企業に比べて信用度が低い中小企業のために銀行融資が受けやすい仕組みのことであり、信用保証制度のもとでは、万が一会社が返済できなくなっても貸付をする金融機関に、信用保証協会が代わりに弁済するという制度になっています。

つまり、銀行にとって保険があるみたいな感じですね。全額が保証される場合もありますが、20%程度の責任負担で金融機関は済むという制度になります。そのため、創業時や利益が低いときには「保証協会付きで融資をしたい」と金融機関側から提示をされることがほとんどだと思います。

なので、初めての融資で日本政策金融公庫以外から借入を行う場合には、基本的に保証協会付き融資になるでしょう。

保証協会付き融資の会社側のデメリットとしては、信用保証料というものがかかってくることです。そのため、1,000万円の融資であっても全額が手もとに入るわけではないので注意が必要となります。

また、信用保証協会という機関を通すことになるため、融資が実行されるまでの期間も時間がかかってしまうことがありますので、創業時の融資は特に早めの行動が大事になってきます。

②プロパー融資

次がプロパー融資です。

プロパー融資とは保証協会の保証がない融資ですので、金融機関が100%の損を被ることになる融資になります。もうここだけで厳しいというのがわかりますよね。

プロパー融資のメリットは、信用保証料がないということ、借入額に上限がないということ、審査が早いということ、そして何よりも信用につながるということです。

なぜ、信用につながるかというと、プロパー融資の場合100%金融機関の負担となりますので、優良企業でないとプロパー融資をしてくれないからです。

逆に言うと、プロパー融資を引き出すことができれば、一人前の企業と思ってもらっていいのではないでしょうか。

創業時にプロパー融資を引き出すことは不可能に近いですので、プロパー融資を引き出すことができる企業を目指して成長をしていってもらうのがいいでしょう。

③ノンバンク融資

次にノンバンク融資です。ノンバンクとは、預金を受け入れずに融資のみを行っている金融機関をいいます。ビジネスローンや消費者金融などが当てはまるでしょう。

メリットとしては、審査が早い書類が少なくてすむ赤字や滞納があっても借りることができるなどがあります。それに対してデメリットは、金利が高い融資額が少ない銀行融資の審査に悪影響があることです。

前にも説明しましたが、銀行融資の審査に悪影響となりますので、ノンバンク融資は最後の最後の手段と思ってもらうのがいいでしょう。創業時は、絶対に銀行融資で融資を獲得するようにしましょう。

④創業融資

そして創業融資です。創業融資についても基本的には①の保証協会付き融資となると思いますが、ここでは創業融資の必要性について少し説明しようと思います。

創業される方の中には、借金をしたくない・とりあえず自己資金で何とかすると思われる方もおられると思います。

しかし、創業時には創業融資を受けてください。なぜなら、創業から事業の波に乗るまでの間は赤字の期間が続きます。しかも、その赤字の期間はどのくらいの期間続くかわかりません。1カ月かもしれないし、1年かもしれない。その期間の不安を無くすために、資金に余裕があったとしても創業融資を受けることをおススメします。

そして、創業融資は最も借入をしやすいタイミングです。金額的には少額になりがちですが、融資の受けやすさで言えば最も受けやすいのです。

融資は波に乗ってからでいいやと思う方もいると思いますが、波に乗ってから借りれるかどうかはわかりません。そして、もっともお金が必要となる創業時から利益がでるようになるまでの期間については融資を受けることができないことがほとんどです。

その穴埋めをするためにも創業融資を受けておきましょう。銀行は本当のピンチの時にはお金を貸してくれません。貸してくれるのは、創業時か余裕の時だけです。なので、創業時に融資を受けるということが、どれだけ大切かわかると思います。

そして、創業融資の返済をするといことは借入の返済の実績にもなります。銀行融資を受ける際にはこの実績も大切になってくるのです。ちゃんと返済ができているところは次の融資も受けやすくなります。

これらの理由から創業融資については受けておくことをおススメします。いざとなってからでは融資を受けづらくなりますので、最も受けやすい創業時に受けておいてもらうのがいいでしょう。

創業時にはどこで融資を受けるのがいいのか

では、創業時には結局どこの金融機関で創業融資を受けるのがいいのでしょうか。

優先順位として、①日本政策金融公庫②信用金庫③地方銀行になるかと思います。

まずは、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の制度を活用することがいいと思います。その理由としては、無担保・無保証での融資を受けることができるということです。担保と保証が必要ありませんので、借金に対する不安を軽減することができます。ただ、デメリットとしては借入額が少なくなってしまうということでしょう。自己資金の2倍~4倍の融資が通れば十分なくらいだと思います。そのため、融資額を大きくしたいのであれば、自己資金の額を上げてもらうということになると思います。

次が、信用金庫です。信用金庫については地域密着型になっていますので、地域に根差してビジネスをしていく上では欠かせない金融機関となります。また信用金庫によっては保証協会や地元の商工会議所などと連携して創業支援に取り組んでいるところもあったりしますので、創業融資としては比較的受けやすい環境にあると思います。

そして、地方銀行です。地方銀行については、成長をしてから融資を受けることを考えてもらうのがいいでしょう。あまり創業融資の申込となると厳しいかもしれませんが、口座を作っていることや、メインの取引口座となりそうであれば一度創業融資の相談をしてもらうのがいいでしょう。

創業融資については、まずは日本政策金融公庫から創業融資を申し込み事をおススメします。

まとめ

今回のコラムでは、創業融資を受けるということで銀行融資の種類・資金使途の種類・創業融資の必要性などについて、解説してきました。いかがですか?創業融資の必要性が分かってもらえたでしょうか。

創業融資は最も融資を受けやすいタイミングになりますので、融資を受けることをおススメします。必要がなくても実績を作るためや、いざという時のために少しでもいいので受けておきましょう。

経営者の方とお話をしていると「借金をしてはいけない」「借金をしたくない」ということを聞きます。確かに、プライベートで考えると借金はしないに越したことはありませんが、事業で考えると借金は成長のために必要なものになります。

借金をせずに成長はできないといってもいいでしょう。できるかもしれませんが時間がかなりかかることになります。

例えば、1億円の設備投資をしようと考えていて、自己資金だけで行おうと思うと毎年1,000万円ためることができても10年かかってしまいます。借金すれば、借り入れるかどうかは別として、すぐに調達ができるのです。

このように、一言に「借金」といっても「良い借金」と「悪い借金」があると思います。創業融資での借金については、成長はいざということを考えると「良い借金」に該当するといえるでしょう。

創業時は積極的に創業融資を受けるようにしましょう。

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