消費税減税に関する税制改正大綱|消費税減税後どうなるのか

2026.09.20

初めに

9月15日に消費税減税に関する大綱「飲食料品消費税率の臨時的な引き下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」が発表されました。ついに消費税減税が実行されるということで、大綱を読んだ中で実際どのような変化があるのかについて考えていこうと思います。

大綱を読んだ感想としては、意外と考えなければならないことがあるなと思いました。特に食料品を売る機会が多い事業者にとっては重要になってくるのではないでしょうか。

今回の大綱では、給付付き税額控除の代わりとして令和9年度・10年度に導入される就業者負担軽減支援金についても書かれていますが、今回のコラムでは消費税減税に絞ろうと思います。

大まかな内容

まずは、どのような部分が対象になるのかなど大まかな内容について解説をしていこうと思います。ここについては現行制度とほとんど変わりませんので、簡単に見ておいてください。

①期間・対象範囲

期間については令和9年4月1日~令和11年3月31日までの2年間となっています。来年の4月からのスタートになる点を注意してください。期間は2年とされていますが、現在の断定ですので実際に2年経った時に戻せるのか戻せないのか、戻すのか戻さないのかはその時の政権の選択になってくると思います。

消費税ができて以降はじめての減税となりますので、戻す時には相当な抵抗があるのではないかと思っています。簡単には戻らないのではないかな?と思っています。

対象範囲については、現行の軽減税率の対象となる飲食料品になります。なので、定期購読の新聞については軽減8%変わりないのです。つまり、今回の改正で10%と8%と1%の3つになるということになります。

食料品の範囲については変わりありませんので、現在軽減税率の対象となる飲食料品が1%になるという考えかたになります。つまり酒類などは10%のままということです。

現行の軽減税率8%の飲食料品が1%になると思ってください。

②請求書などの書き方

請求書の書き方についても変わりません。変わるところは8%対象としているところを1%対象とするだけになります。それ以外の書き方などについては変わりません。軽減税率の対象である旨などを記載することも特に変わりません。

3月を超える締め日の場合(例えば3月21日~4月20日締めなど)は、10%8%1%の記載が必要なので複雑になるというところだと思います。

値札などの記載方法についても、大枠は変わりません。令和9年4月1日から1%の表示にするということになります。ただ、移行期間として、前後2カ月は早くなっても遅くなっても構わないということになります。

つまり、開始時は令和9年2月1日~3月31日までの間に1%表示変更してもいいですし、令和9年4月1日~5月31日まで8%の表示でもいいということになっています。前後2カ月の間に表示などを変更してくださいとなっています。

総額表示義務の関係での対応になりますので、例えば税込価格のみしか書いていない場合は、表示を変更する必要はほぼないと言っていいと思います。

現在、10,800円(内消費税800円)や10,800円(税抜10,000円)このような表示をしている方については、1%で割り戻す必要がありますので、かなりの作業が必要となると思います。現在、10,800円(税込)のように既に税込みで表示している方については、税込表示なので変更する手間を省けるということになります。

特に影響がないのであれば、税込表示だけを記載しておくのが楽になると思います。

そもそも総額表示も複数税率が導入された影響で表示が必要になったので、税率を一律に戻してもらえればこんな事務負担をかける必要もなくなると思うんですけどね。

③予約販売などの対応

消費税の税率が変わるタイミングで問題となるのが予約販売などの期間が空くものになります。

今回は食料品に係るものだけになりますので、建築などは関係ありません。

食料品等で考えられるのが、予約販売や通信販売での販売です。申し込みから販売までに少し時間が空くタイプですね。この場合にどうなるのかを考えていきましょう。

⑴予約販売

まず予約販売です。令和9年4月1日以後に販売される(届けられる)定期供給契約による予約販売(代金先払いで毎月季節の食材が届くような定期便)について、令和9年1月1日前までに契約を締結して、令和9年3月31日までに料金を領収している場合には8%で販売することになっています。4月1日までに料金を領収していることが条件となっているので、料金の領収が4月1日を超える場合には1%で計上するということになります。

つまり、令和9年1月1日以後に契約したもので、4月1日以後に届くものについては1%を適用するということになります。消費者目線で行くと、1月1日以後に契約した方がお得ということですね。

ただし、税率1%を前提として契約している場合や、契約等が変更される場合には1%で計上することとなります。どうゆう状態かと言うと、契約の際に「令和9年3月まで、月額10,800円(8%税込)、令和9年4月から月額10,100円(1%税込)」のようにあらかじめ1%になることが明記されている場合や、令和9年4月1日までに「令和9年4月からの月額10,100円(1%税込)に変更し、当初契約との差額を返金する」などとされている場合です。

このような場合には4月1日以降の販売について1%を適用することができるということになります。事業者にとっては、このようにあらかじめ変更するという旨を記載しておくほうが便利なのではないでしょうか。8%で計上するのと1%で計上するのでは納付する消費税額が大きく変わると思います。

⑵通信販売

次は通信販売です。お中元やギフトなどのカタログ販売などと思ってください。予約販売と似ているようですが微妙に要件がことなります。

令和9年1月1日までに販売条件を提示し、令和9年4月1日前に申し込みを受けた場合には、8%で計上することになります。つまり、料金を領収しているかどうかは関係ないということになります。令和9年1月1日までに条件を提示し、令和9年4月1日までに申し込み(締結)すれば、料金の受領自体は4月1日を超えても8%で計上するということと読み取れます。

微妙に違うのがややこしいですね。通信販売についても、「令和9年4月1日以後に販売を行うものは消費税率1%による」という旨や「販売価格は10,800円(消費税率1%への変更があった場合には10,100円とする」という旨がある場合には、8%の計上ではなく1%での計上となります。

このように消費税率の切り替えがある年というのは、すこし複雑になるところがあります。今回は2年間の期限措置ということなので、2年後には全く同じことが起こると想定しておいていいでしょう。

今回のコラムでは、消費税率が変わることによってどう変わるのかの全体的な部分について解説しました。次回のコラムでは、税制の部分がどうなるのか(届出関係)について解説していこうと思います。

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