黒字なのになぜか不安|経営者の不安を取り除く|伊賀市の税理士と考える|税理士という仕事と関係性|経営コラム

2026.07.10
胸にある税理士バッチに手を当てる男性の図

経営者を一人にしないということ

この章からは、税理士についてお話していこうと思います。税理士にはどのような税理士がいるのか、どのような税理士を顧問税理士にするほうが良いのかについて税理士である私自身が説明していこうと思います。

あくまで私自身の意見ですので、全ての税理士がここに書かれている通りであるということではありません。最後は自分自身と合うかどうかで決めてもらうのがいいと思いますが、その前の参考に税理士にも色んな種類があるのだということを覚えておいてもらえるといいかもしれません。

①税理士になる方法

まずは、税理士の方はどのような方法で税理士になっているのかについて説明します。方法ってそんなにあるの?と思われるかもしれませんが、大きく分けて3つの方法がありますので順番に説明しようと思います。この3つのどの方法で税理士になっているかによって税理士のタイプがわかれます。

⑴試験合格組

まずは一番オーソドックスな試験合格組です。毎年8月に1度だけ行われる税理士試験を通って税理士になった方々です。

税理士試験には、簿記論・財務諸表論・法人税法・所得税法・消費税法・相続税法・酒税・事業税・固定資産税・住民税・国税徴収法の11科目の試験があります。

ただ、この全てを受けるわけではありません。簿記論・財務諸表論の会計科目と言われる2つは必須ですので必ず受けて合格する必要があります。さらに、法人税法もしくは所得税法のどちらか1つも必須で合格する必要があります。両方とも受けても構いません。そして、簿記論・財務諸表論の2科目と法人税法若しくは所得税法の1科目と他2科目どれでも好きなものに合格して、合計5科目に合格すれば税理士試験に合格ということになります。

ここからも分かるように税理士試験の全てを受けているわけではないので、それぞれ得意分野があるということです。例えば、私自身は簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・事業税の5科目で合格していますので、所得税法と相続税法は詳しくありません。基礎レベルは仕事上で扱うために知っていますが、詳しいこととなると全くです。なので、私の事務所では相続税の取り扱いは現在行っておりません。所得税法についても専門ではないので個人事業主の方もあまり引き受けていません。

このように、税理士試験組にもそれぞれの専門がはっきりと分かれるということです。なので、例えば私のように相続税を知らない税理士のところで相続税の申告をお願いしようと思いますか?できれば相続税の専門の方にしてもらいたいと思わないでしょうか?

しかし、税理士事務所の中では専門でない税金も扱っているところが多いのも事実です。専門でないところにお願いをしたとしても、ある程度はしてもらえます。ただ、注意点としていいアドバイスがもらえるかどうかは分かりません。特に相続税は1つの判断の違いで税金が大きく変わる可能性もある税目ですので、専門でない税理士事務所にしてもらうのは非常にリスキーだと私は思います。

話しが少しずれますが、私自身、税理士になるまでに私の祖父の相続で失敗をしているからです。その当時は私自身税理士ではありませんでしたので、あまり知識がなかったので税理士の方の言う通りに行ってしまいました。それから私自身が税理士の勉強を通じて相続税のことを知ったときに驚愕しました。祖父の相続の時にうまく私に相続しておけば700万円を納付するだけで、祖母の相続の時は税額が発生せず、当時祖母がもっている財産も手を付けることなく二次相続ができたはずだったのです。

しかし、当時何も知らなかった私は、税理士の言うとおりに祖父の相続の時に全て祖母に遺産を相続することで、その当時の相続税700万円はゼロとなりました。しかし、祖母の相続の時になんと2,000万円以上の相続税がかかることがわかったのです。結局、祖母の時の相続税対策をするために、祖母の手持ちにあったお金も何千万と家を取り壊したりするのに使いました。たった1つの選択のミスでここまで税金が変わるのです。これが専門にしている税理士に頼むのと専門でない税理士に頼む差となる可能性があります。

全ての税理士ができないわけではありません。しっかりと勉強されている方については、試験で受けていない科目についても専門知識がある方も多いですが、試験で受けていない科目については専門知識が無い方も多いのも事実です。なので、税理士に何かを頼みたいというときは一度税理士の先生に「専門の税目や得意な税目は何か?」と聞いてみるのがいいと思います。もし、それぞれの専門の税理士にお願いしたいという時には、2人以上の税理士を付けてもいいと思います。

さらに試験組にはもう1つ方法があります。それが大学院免除組です。大学院免除組は大学院を卒業することです。一定の大学院を卒業することで、会計科目1科目もしくは税法科目2科目の免除がされるというものです。さらに税法については2科目免除となり残りの1科目はどれでもいいということになっています。

大学院卒業組はこのように試験で受けている科目が少ないのです。しかし、だからといって駄目なのかというとそうではありません。大学院でもかなりのレベルの勉強をしているのです。内容は大学院によりますが、かなりの勉強時間が必要となりますので、勉強時間では試験組と変わらないぐらいの勉強量と言えるでしょう。私自身、大学院に一時期通っていましたので、大学院内でどのような勉強をしているのかも知っています。私の場合はある理由で大学院を辞め、あえて厳しい5科目合格という道を選んでしました。ただ、大学院で勉強はしていますが、試験のような勉強ではないので、その部分で違いはあります。どの科目に合格したかを聞いたときに、4科目以下であれば大学院卒業組の可能性があります。

このように試験合格組にも2つの方法があるのです。税理士になってしまえば、どちらが優れているのかなどはありません。それよりも専門が何か得意税目が何かの方が大切ですので、その部分については顧問契約する前に確認してもらうのもいいでしょう。

⑵税務署出身組

税理士の中でも人数が多いものが税務署出身組です。税務署などの国税官公署で一定期間働いた後に指定の研修を受けることで税理士資格が得られるものです。いわゆる「税務署あがり」と言われている方たちです。

税務署出身組の特徴としては税務調査などの実務を熟知しているということでしょう。しかし、税務調査などの税務署面を知っているだけで会計ソフトや経営のことなどの顧問先側のことは何もしらない人が多いのも事実です。また、税務署出身の方の多くは60歳の定年を迎えてから税理士登録する人も多いのが特長です。さらに、試験組と同じで税務署で扱っていた専門もかわります。税務署の中にも法人税の専門部署や所得税の専門部署、相続税の専門部署、消費税の専門部署などいくつかの部署にわかれていますので、どこの部署出身なのかによって大きく専門性はことなります

また、巷では税務署あがりの税理士だと税務調査が来ないなどと言われることもありますが、これは嘘です。知り合いの税理士の方に聞いたところ、税務署の中の人事異動は2年程度と頻繁に行われるため、5年もたてば知り合いの税務署職員はいなくなるそうです。そのため、税務署の出身だからといって税務署に口利きができるわけでもなく税務調査がなくなったり楽になるわけではないということです。この迷信だけを信じて税務署出身の税理士を顧問税理士にするのは注意が必要です。

⑶弁護士・公認会計士からの登録

そして3つ目の方法は、弁護士資格もしくは公認会計士資格を持っている方たちが税理士登録するという方法です。税理士のプロフィールなどで「公認会計士・税理士」や「弁護士・税理士」と書かれている方を見たことがあるのではないでしょうか?実際に2つの資格に合格をしている方もおられると思いますが、弁護士や公認会計士の資格を持っている方は税理士試験を受けることなく、税理士登録をすることができるのです。そのため2つの資格が併記されているのです。税理士試験を受けるわけではないので、基本的にそれぞれの税目の専門家ではありません。租税法という税法の大元となっている勉強を、弁護士・公認会計士ともに行っています。そのため大まかな内容については勉強されていると思いますが、税理士試験ほど細かい分野には精通していないのも事実でしょう。そのため、2つの資格をもっているため両方の資格について知っていると思われるのは時期尚早だと思います。ここでも大事なのは専門分野が何かということです。

このように税理士になる方法は大きく分けて3通りです。どの方法でなっていようが税理士は税理士です。なので、税理士という資格については何の違いもありません。違うことは勉強している内容と勉強の仕方が違うということだと思います。

勉強の内容が違うためそれぞれの専門分野・専門性も違ってきます。税理士という1つの資格だとしても様々なタイプの税理士がいるということを分かってください。

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