ハウスメーカは一安心!?|令和8年度税制改正大綱の住宅ローン控除についての影響考える|伊賀市の税理士と考える|住宅メーカ側から考える今後の経営戦略

2026.01.11

初めに

今回のコラムでは前回のコラムでも取り上げた令和8年度税制改正大綱の住宅ローン控除の部分について工務店やハウスメーカ側から考えようと思います。今回の税制改正大綱による改正を受けて住宅を購入する側はどのような動きに変わるのを予測することはとても重要なことになると思います。

今回の税制改正大綱の内容をみていると明らかに前回までの住宅ローン控除の制度と比べてベクトルが変わっていると思われます。以前までは新築に力をいれていたものが、中古住宅・既存住宅へとシフトしているために住宅メーカとしては、経営判断をしていかなければならなくなると思います。そんな住宅メーカ側にとって今回の税制改正はどのような影響がでるのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

令和8年度税制改正大綱によってどのように変わるのか

令和8年度税制改正大綱の影響によって消費者のベクトルはどのように変わるのか。これを考えていく必要があるでしょう。昨今の物価高の影響により新築の住宅価格は数年の間に倍近くかかるようになってきているのではないでしょうか。そのような状況を考えると今後は新築で建てるという人も少なくなってくるかもしれません。土地の値段が安く、マンションが少ない地方では、新築で建てる人もまだいるかもしれませんが、土地の値段が高い都会の方ではかなり減ってくるのではないでしょうか。住宅ローン控除については延長されたため、今すぐに建てる人が減るということは少ないかもしれませんが、今までのような大きさの家を建てられるのは中々の費用が掛かってくるようになるかもしれません。

そのような状況を考えると、新築から中古住宅へと消費者のベクトルは変わってくるような気がします。特に都会ではマンションの購入が増えるでしょう。マンションは今でも多く建築されていますし、都会のマンションであれば購入して時間がたてば購入時よりも高い値段で売れる可能性が高いため、比較的リスクが少ないからです。現時点でも土地が高い都会についてはマンション需要はこれからも増えるのではないでしょうか。それよりも地方の方が影響はあるのではないでしょうか。

私自身の地方ですが、地方ではマンションがありません。アパートはありますが数もありません。その代わり土地は安いですから土地はいくらでもあります。このような状態であれば新築で建てるという考えになるかもしれません。もしくは、地方では空き家が多くなってきていますから、空き家を中古で購入してリフォームをするという方が増えてくる可能性があります。新築は高いけれども、中古住宅であれば安く購入できリフォームでなんとかする。そのような風潮が増えてくるかもしれません。現に、令和8年度の税制改正大綱では中古住宅の購入の住宅ローン控除の借入限度額がZEH水準・認定住宅については、増額され、さらに控除期間についても10年から13年に延びるなど、かなり優遇されているからです。

そこからも考えると今後の5年間の住宅ローン減税の税制がある中では、中古物件を購入してリフォームをするという考えが多くなってくる可能性があると思われます。つまり、今後の住宅メーカに問われるのは新築のデザイン性や機能性よりも、リフォームがどれだけ得意か、リフォームでどこまで機能性を伸ばすことができるかという部分になりそうです。いかにリフォームを安く、性能良くできるかという勝負になってくるのではないでしょうか。税制改正大綱を読んでいるとそのように思います。

そして、ここからが各ハウスメーカがどの方向性へと力を入れていくのかを考えていく必要があるのではないでしょうか。リフォームの方へ力を入れるのか。リフォームへ力を入れるとなると、利益率は上がるかもしれませんが単価が下がるため、数を多く獲得する必要がでてくると思います。それとも、新築の強味をアピールして新築に力を入れるのか。新築の強味と言えば耐久性ではないでしょうか。中古物件と言った時に、マンションであれば耐久性や修繕的にもあまり深く考える必要はないかもしれませんが、中古の一軒家を購入するとなると、築年数による耐久性・修繕の必要性なども考慮する必要がありますので、どうして耐久性という部分ではお金がかかることが増えると思います。

例えば、新築であれば15年持つものが、中古物件(築10年経過)のものだと5年で修繕の時期を迎えるということになります。そのような意味で、中古物件は初期投資は安く済むかもしれないが長い年月で見た時には多くのお金がかかる可能性が考えられますので、その部分について言及することで新築へベクトルを移せるかもしれません。他にも新築は1から作るのに対して、既存住宅では既にある形を変えることは難しいでしょうから、あまり要望にかなったものにならない可能性もあります。こだわりが強い人にとっては選びにくいのも既存住宅となるのではないでしょうか。

このように新築には多くのメリットがありますが、税制改正大綱の感じから既存住宅リフォームが増えてくることは間違いなさそうですね。この変化をどのようにとらえるかは各工務店・ハウスメーカ次第だと思います。言えることは、住宅メーカ・工務店にとって今が分岐点であると考えられます。大きく業界としての流れが変わろうとしているため、どのような戦略をとっていくのかが大切になってくるのではないでしょうか。

個人の住宅については、新築が厳しい状況にありますが、法人については新しい設備投資の税制が新設されることとなっており、建物までが対象となっているので、法人の設備投資については今以上に加速していきそうな気がしています。個人の新築の数は減るかもしれませんが、法人関係の設備投資については増えてくる可能性がありますので、そちらのほうに舵を切るというのも戦略の1つかもしれません。もしくは、可能であれば土木関係にシフトするということも考えられるかもしれません、土木関係については発注者が国や県・市になることが多いため、受注額としても大きくなりがちですし、物価高などに関わらず道路整備などは行われるためです。ほとんどが入札での獲得となるのでその点については、安定した獲得ができるかはわかりませんが、そのような戦略をとるのも1つかもしれませんね。

その方法にするにせよ、住宅メーカーにとっては分岐点であることに変わりはないのかもしれません。建築資材の高騰が落ち着くことがあるのか、落ち着く場合には落ち着くことが先なのか、それとも日本の給料水準があがり物価上昇に耐えられるようになるのが先なのか。今後どのように動いていくのかを予測することが大事かもしれません。最近では賃上げも大企業ではだいぶ行われてきました。大卒の初任給が30万円近くまであがっているのですから、大企業に勤めている人にとっては物価上昇の影響は少ないかもしれません。しかし、中小企業においては稼ぐ力が弱い会社では賃上げに回せる資金がないというのが現状でしょう。設備投資を行うための借入の返済などもしなければならないのに、その金利まであがってきていますから、中小企業にとってはかなり厳しい状況が続くことが予想されます。

そんな中でもしっかりと利益をだし、物価高の時代を乗り越えられる企業にしていくことが今の中小企業に求められていることなのかもしれません。時代の流れに身を任せきっりにするのではなく、しっかりと自分自身で考えて経営の舵を切っていくことがこれから必要なことなのではないでしょうか。

お問い合わせ

CONTACT

お問い合わせは以下ページから
お気軽にお問い合わせください。
通常3営業日以内に当事務所よりご返信いたします。

お問い合わせ・相談をする

24時間受付