ハウスメーカは一安心!?|令和8年度税制改正大綱の住宅ローン控除についての影響考える|伊賀市の税理士と考える|購入者側の視点から考える

2026.01.06

初めに

今回のコラムでは令和8年度税制改正大綱の中に盛り込まれていた住宅ローン控除について考えていこうと思います。令和7年12月31日が期限とされていた住宅ローン控除について、なかなか延長の発表がされていなかったために、ついになくなるのではないかと思われた方もおられるのではないでしょうか。そんな住宅ローン控除について無事に延長が決まりましたが、以前までの住宅ローン控除と比べると明らかにベクトルの向きが変わったと言える制度になっていると思います。ハウスメーカや建築業関係の方にとっては大きな影響となるのではないでしょうか。これからの住宅ローン控除の影響について考えていきましょう。

令和8年度税制改正大綱

まずは令和8年度の税制改正大綱の住宅ローン控除の内容についてみていきましょう。令和8年度の税制改正大綱に記されている住宅ローン控除の方向性としては、省エネ性能住宅の強化と中古住宅の強化となるのではないでしょうか。

①適用期限

適用期限については、現行の令和7年末までが5年間と大幅に延長されることになり、令和12年末までの期限となりました。今まで2年の延長など短いスパンで合ったものが今回は5年とかなり長い期間での延長という改正となります。この5年間の延長というのは、住宅メーカの会社からすると安心できるのではないでしょうか。

5年間の延長となっていますが、新築の省エネ基準適合住宅については令和8年・9年の2年間の延長となっています。そのため5年間の延長の対象となる住宅についてはZEH水準省エネ住宅であるか認定住宅である必要が出てきます。ZEH水準省エネ住宅となると一定の断熱の要件に加えて太陽光の設置が必要となるでしょうし、認定住宅となると認定を受けるための水準や認定のための手数料などがかかるため必然と住宅の建設費としては高くなりそうな気がします。

国の方針としては、省エネ性能の強化というところに向いているように感じます。そのため、省エネ住宅とならない住宅については令和9年末で適用の対象から外れるということになりそうです。

②既存住宅(中古住宅)の強化

もう1つの特徴が既存住宅(中古住宅)への対象の強化になります。既存住宅については、省エネ基準適合住宅であっても5年間の延長となります。さらに、ZEH水準・認定住宅の場合には借入限度額が現行の3,000万円から3,500万円へと引き上げられることになります。この金額は新築のZEH水準と同じ金額になりますので、既存住宅にしてはかなりの大きな金額となっているのではないでしょうか。昨今の物価高などの影響による、住宅価額の上昇を受けての改正と言えるでしょう。

さらに、控除期間についても10年であったものが13年と3年間伸びますので、ほぼ新築の要件と同じと言えます。省エネ基準適合住宅・ZEH水準適合住宅・認定住宅の既存住宅については、かなりの改正と言えると思います。

既存住宅(中古住宅)の観点からすると一軒家というよりはマンションの方が適用となるのは多いように思われます。物価・地価の上昇によりマンションの価格も大幅にあがっていますから、マンションで考えているかたは、既存住宅が強化されたことによって効果は大きくなりそうです。

③借入限度額

借入限度額については新築については、認定住宅・ZEH水準については変化ありません。現行の認定住宅(4,500万円・子育て世代5,000万円)とZEH水準(3,500万円・子育て世代4,500万円)のままとなります。大きく変わるのが省エネ基準適合住宅になります。令和7年末までは3,000万円の借入限度額であったのが、2,000万円までさがります。子育て世代でみても4,000万円が3,000万円まで下がることとなります。期間13年間フルで控除を受けることができたとした場合には、現行は273万円の控除を受けることができたものが、182万円まで約100万円控除が少なくなるということになります。そのため、これから新築の建設を考えている方については、ZEH水準もしくは認定住宅での建設をすることが望ましいでしょう。控除できる差があまりにも大きくなることが予測されます。ZEH水準や認定住宅にすることで初期のコストはどうしても上がってしまいますが、住宅ローンの控除額や年間の光熱費等から考えるとお得になる可能性の方が高いかもしれません。

一方、中古住宅については借入限度額が上がりましたZEH水準・認定住宅については現行の3,000万円から3,500万円に500万ふえます。省エネ適合住宅については2,000万円にさがってしまいますが、中古住宅の強化が図られていることがここからもわかります。今後の流れとしては、中古住宅を購入してリフォームするということが多くなりそうです。

④控除率

適用期限は5年間(2年の場合もある)伸びました。借入限度額も変更なしもしくは、増額・減額ありました。そして、控除率については変更なしです。

この部分は余り納得できないと思われます。もともと数年前まで控除率は1%でした。それが現在の0.7%に減率されています。その経緯としては、マイナス金利で住宅ローンに支払う金利よりも住宅ローン控除の金利の方が大きくなるという逆転現象が起きていたためです。それらの理由から1%から0.7%になりました。

しかし、今はどうでしょう。マイナス金利が終わり銀行の金利もどんどん上がっています。最近にも利上げが発表され30年ぶりくらいの金利水準に戻ってきています。その影響により住宅ローンの金利についても上がってきているのが現状です。それなのに控除率の変更はないという状況になっています。そもそもの控除率を下げた理由が金利変動によるものであれば、今回のように金利が上がっているのであれば、控除率も上がっておかしくないのではないかと個人的には思いますが、税制改正大綱では現状の0.7%とされています。

他の部分では、かなり緩和されているように感じますが、この控除率だけは現行と変わらない(金利は上昇しているのに)というのが納得できないという方は多くおられるのではないでしょうか。

この控除率については、10年が13年に延びたという影響もあるのでしょうが、住宅ローンの金利水準から考えるとかなり低い控除率になっていると思われます。

まとめ

ここまでのように、今回の税制改正大綱では、中古住宅と省エネという部分についてかなり強化されそうです。これから住宅を持ちたいという方については、新築にするのか中古にするのか悩まれる部分が多いのではないでしょうか。築年数の若いマンションであれば中古住宅での購入としても問題なく中古取得の住宅ローン控除を適用できるように思います。ただ、一軒家となると、これらの要件に該当する中古住宅の数も少ないでしょうし、購入後もリフォームを行う必要もあると思いますので、悩みどころであると思います。

私個人の意見としては、金額は高くなりますが新築で建てるのが一番いいと思います。理由としては、中古であれば値段は抑えられますが耐用年数で考えるとあまり長くはもたないでしょう。また状態にもよりますが、住む前にもリフォームをする必要があるでしょうし、新築と比べると住んだあとの修繕が必要なペースも違うと思います。

そのようなことから考えると、初めの初期費用は高くなりますが、新築で建てる方が長い期間で考えるとお得になるような気がします。購入からどれくらいの年数を過ごすかわかりませんが、30年と考えると新築の30年と中古住宅の30年ではかなりの差が生まれる様な気がします。金額も大きく変わりますから絶対にこっちということは言えませんが、新築で耐用年数が長い方が長い期間でみたときにはいいようなきはしますね。  

今回のコラムではここまで令和8年度税制改正大綱を踏まえて、住宅を購入する側にとっての影響を見てきました。次のコラムではハウスメーカ・工務店などの住宅を共有する側にどのような影響があるかについて考えていこうと思います。

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