目次
初めに
今回のコラムは久しぶりにテーマだけを決めて思っていることをつぶやく、そんなコラムにしようと思う。
今回のテーマは、私たちの事務所であるトラストソルコンサルティング(東憲吾税理士事務所)が目指している事務所の在り方・税理士の在り方について述べていこうと思っている。
あくまで私たちの事務所の考え方であるため、賛成できる点・賛成できない点があると思うが、そこはご容赦いただきたい。
※私たちの事務所としての意見です。それぞれの事務所によって考え方は異なります。
トラストソルコンサルティング(東憲吾税理士事務所)が考える税理士像
まずは、私たちの考える税理士像について考えを述べていこうと思う。
経営者の方にとって税理士とはどんな存在であるのだろうか?と常に考えている。
私たちが思う税理士像とは、経営者のパートナー・相棒、このような存在でいるべきだと考えている。つまり、経営者と税理士は対等な関係である必要があるということだ。
どちらかが上でどちらかが下では、良い関係は気づいていけない。企業の成長のために、経営者の願いをかなえていくために、税理士は経営者のパートナーとして存在するべきだと考えている。
だから、私の事務所では「先生」と呼ばれたくない。「先生」と呼ばれると壁を感じてしまう。読んでいる方にとってはそのように思っていないかもしれないが、「先生」はやっぱり「先生」としての立場になってしまうのではないかと思う。
先生では対等な関係とは言えない。感覚的に上に立っているような気がしてしまう。しかし、それでは経営者との間で本当の信頼関係ができるのかどうかわからない。
経営者のパートナーとして、どんな相談でもしてもらえる存在になりたいし、どんな悩みでも一緒に解決をしていきたいと思える存在になりたい。だから、「先生」とは呼ばないようにしてもらっている。
経営者の悩みはそれぞれだと思う。お金の悩みもあれば、人間関係の悩み、身内の悩みかもしれない。それらの悩みは全て経営に関わってくる悩みだと思う。
そのような悩みを打ち明けてもらって、ともに解決していけるような存在になりたいと私たちの事務所では考えている。
税理士とは経営者のパートナーであり、一番の理解者である必要がある。そのために顧問料をもらっているのだ。
パートナーであるためには何が必要なのかを常に考える必要がある。税務申告だけでいいのか。経営コンサルティングのように経営の中身まで相談できる相手になるべきか。お金に困らないように資金繰りなどもサポートできるようになるべきか。などなど、税理士業務の範囲は、経営者のパートナーになることを考えると無限に広がっていく気がする。
ただ、1つの事務所で全てを行うということは無理かもしれないから、自分ができることを探し、勉強していくしかないと思っている。税理士事務所それぞれに強みを持たせて差別化を行っていく必要があると考えている。
税理士は経営者のパートナーとして、ともに会社を成長させていくことが、私たちの考える税理士像である。
そのため経営理念を「私たちは、お客様に寄り添い信頼できるパートナーとして、お客様とともに悩み・考える」とした。
信頼できるパートナーとして、経営者の方々に寄り添っていける、そんな税理士事務所・税理士をこれからも目指していく。
トラストソルコンサルティングが考える税理士の仕事
税理士像は、経営者のパートナー・相棒のような存在でいるべきであると考えている。では、そのために税理士事務所・税理士はどのような仕事をするべきなのかを考えていこうと思う。
税理士の仕事と言えば、税務申告や税務相談が思いつくのではないだろうか。その他にも大きな仕事が税務調査の対応ではないだろうか。この3つは税理士にのみ与えられた業務であるため、税理士と言えばとなると、この3つが想像されると思う。
しかし、私たちの事務所では、税務調査の対応にならないようにすること、つまり税務調査にならないように対策することが税理士の仕事ではないかと考えている。税務調査を完全になくすことは不可能だが、税務調査のリスクを下げることは可能である。それが税務代理権限証書33条の2の添付書面を添付することである。書面添付制度とも呼ばれており、この書類1枚を申告書に付けるだけで税務調査のリスクが大きく削減されるのである。
作成するためには、自計化をしてもらい毎月月次監査という形でチェックをしたりするなどの手間は増えるが、その手間を増やすだけで税務調査のリスクが下がるのであれば、税理士としては付けるべきではないかと思っている。顧問先にとっても税務調査のリスクが下がるのであれば価値があるのではないだろうか。
この書面添付だが、全国的な割合でいくと、たったの10%しかつけられていない。添付書面の役割としては、税務監査のような役割ももっているため、顧問先によっては付けれない事情があるのかもしれないが、付けれるはずの顧問先でもつけていないことが多いのだ。それは、作成する時間を確保することができないということが、多くの理由であると思われる。特に12月決算や3月決算・確定申告などの繁忙期に重なってくる時期に顧問先の数が多いと作成する時間が少なくなってしまうのも事実である。
そのような中、私たちの事務所では、この添付書面の添付率100%を目指している。この添付書面を作成する時間を確保するためにも、顧問先数の制限をするなどの対策をたてているため、作成の時間の確保はできている。添付書面を添付することで、税務調査のリスクを下げることは、顧問先のストレスを解消するためにもつながるし、税理士事務所の手間を省くためにもなる。
税務調査のリスクが少なくなるため、税務調査に手を取られる可能性がなくなるためである。税務調査となると調査と修正申告等の作成だけでも3日~5日程度は時間を取られることになる。この時間が無駄だと考えている。
さらに顧問先にとっては、税務調査の日数分の日当と修正申告等の報酬が追加でとられることになってしまうのだ。顧問料を毎月払っているにも関わらず、税務調査でもさらに報酬に加えて追徴課税も取られると、何のための顧問料かわからなくなってきてしまう。
この点についても、私たちの事務所では税務調査の際の日当と修正申告等の報酬についてはもらわないことにしている。なぜなら、税務調査に来させないようにすることが税理士の仕事だと考えているからである。どれだけ、対策しても税務調査は来るときは来てしまうため、ゼロにはできないが、少なくはできるはずである。そう考えているため、税務調査の報酬はもらわないことにしている。税務調査が嫌だから顧問税理士を付けているはずだと思うし、税務調査をなるべく来させないようにするのが、顧問税理士の仕事だと思っている。
しかし、なぜか不思議なことに税理士は税務調査が来た時の対応で評価されているようか気がする。よく、税務調査の時によくしてくれたから今の税理士を変えるつもりはない。ということを聞くが、確かに税務調査の対応が税理士にとって一番の見せ所だとは思うが、税務調査に来させないということの方がもっと重要なのではないだろうか。
さらに税理士の仕事は、税務関係だけでとどまってはいけないと思っている。経営者の悩みを解決するためには、税務関係だけでなく経営にも踏み込んでいかなければいけないとおもっている。経営自体を行うのではなく、税理士という仕事上、数字には強いはずであるから、数字の面から経営をサポートしていく必要がある。
資金繰り表や銀行融資などは、中小企業にとっては死活問題だと思う。しかし、中小企業の経営者の方でここまで手を回せている人は少ないのではないだろうか。そこで税理士の出番だと思う。資料を整備することで、少ない時間で資金繰り表を作成できるようにしたり、銀行融資を受けるための資料作成をサポートしたりと支援を行うことが大切になってくる。
経営者のパートナーとして経営者が苦手な分野、特にお金に関する分野を税理士がサポートする必要があるのではないだろうか。しかし、多くの税理士はそこまで踏み込んだサポートは行っていないと思う。
私たちの事務所では、経営コンサルティングの分野にもしっかりと踏み込んでサポートをできる体制を整えている。資金繰り表はもちろん、銀行融資の資料作成のサポートも可能である。そのほかにも財務コンサルティングとして、利益がでないという悩みを解決していけるようなサポートも行っている。経営者の方が決算書を読めるように教えることもするし、事業計画や経営計画書の作成の支援も行う。このように経営の分野についても、しっかりサポートしていくのが私たちの事務所である。
税理士は、中小企業の経営者の相談相手のNO1に選ばれていることも踏まえると、税務関係だけでなく経営の部分まで踏み込んだサポートができることが望ましいと考えている。
私たちの事務所では、積極的に経営に関することも勉強をしているため、経営に関するアドバイスもある程度行うことができるようにしている。本当の経営者のパートナーになれるように、税務・経営・財務という分野の勉強は常に怠らないように努力はしているつもりだ。
私たちの事務所が考える税理士の仕事とは、税務申告や税務相談は当たり前のことであり、税務調査のリスクを下げることや、経営に関するサポートまでだと思っている。
そのため、私たちの顧問先の経営者の方には、どんな悩みでも相談してもらうことにしている。会社の相談もあれば、プライベートの相談もあったりする。そのような相談をされるようになってこそ、本当の経営パートナーと言えるのではないだろうか。